40代アートディレクターが
転職活動してわかった5つのこと
【2026年版】
アートディレクターとして10年以上キャリアを積んできた私が、実際に転職活動を始めてぶつかったのは、スキル以前の「年齢の壁」でした。
この記事は、転職活動中の現在進行形のリアルをもとに、同じ境遇のデザイナー・クリエイターに伝えたいこと5つをまとめたものです。「転職成功体験記」ではなく、まだ活動中の生の情報として読んでください。
私のキャリアと転職を考えた理由
簡単に自己紹介します。現在39歳(2026年3月時点)。美容師を経て2014年からアートディレクターに転身し、フランチャイズ系広告・OOH・イベント制作を手がけた後、広告代理店でのAD経験を経て、現在は不動産・コワーキングスペース領域の会社でアートディレクター兼マーケティングを担当しています。
転職を考えた理由はシンプルです。「デザインとマーケティングを統合して動かせる環境で、もっと仕事の幅を広げたい」という欲求と、現職での成長余地への疑問が重なったことです。
現在、複数社に並行応募しながら転職活動中です。広報宣伝・グラフィックデザイン・UI/UXクリエイティブなど、ADスキルが活きるポジションを幅広く見ています。
転職エージェント(ヘッジホッグコンサルティング・リクルートエージェント)も並行活用しながら、ポートフォリオ・履歴書・職務経歴書を随時ブラッシュアップしています。これは転職成功後の記事ではなく、現在進行形のリアルな記録です。
40代の壁は確実にある
かつてデザイン業界では「転職は35歳まで」という通説がありました。今はその壁は確実に緩んでいます。経験豊富なデザイナーへの需要は高まり、40代でも求人は存在します。
ただ、「35歳限界説が崩れた」と「40代の転職が楽になった」は別の話です。実際に活動してみてわかったのは、書類選考の段階で年齢フィルターが機能しているという事実です。
エージェント経由で応募しても、書類すら通らないケースが続くことがあります。スキルの問題ではなく「年齢を理由に書類で落とされる」という経験は、40代転職活動の洗礼です。気楽に構えていると、序盤で消耗します。
一方でポジティブな側面もあります。40代ADとして「マネジメント経験・クライアント折衝・予算管理ができる人材」として評価される企業も確実に存在します。求人の選び方と、自分の強みの打ち出し方がカギになります。
年齢フィルターを避けるため、「エージェントが直接交渉できるルート」を優先する。求人サイト経由の一般応募より、エージェントが推薦状を付けてくれる応募の方が書類通過率が上がります。
デザイナー・ADの転職においてポートフォリオは履歴書以上に重要です。しかし40代が陥りやすい罠があります。「実績の量を見せようとして、文脈のない作品集になってしまう」ことです。
10年以上のキャリアがあると、作品数は当然多くなります。OOH・イベント・Web・SNSバナー・カタログ……。ただ、採用側が見たいのは「何をどう考えてデザインしたか」です。ビジュアルの見た目だけでなく、課題→戦略→クリエイティブの流れが読み取れるかどうかが評価ポイントです。
私自身、ポートフォリオの制作に予想以上の時間がかかりました。作品をA4にまとめるだけでなく、「なぜこのデザインにしたか」の言語化が、AD職では特に求められます。制作物の見た目がよくても、説明できない作品は弱い。
現在はBIZcomfortのコワーキングスペース事業向け販促物を中心に、市川・芝公園・秋津・豊洲のステッカーやSNSバナー等をA4印刷用PDFにまとめています。レイアウトは作品の性質に応じてA4縦横を使い分け、インデックスページも設けました。
各作品に「背景・課題・自分の役割・成果」の4点を簡潔に添える。全作品でなく精選した6〜10点に絞り、「このADに何ができるか」が一読でわかるストーリーにする。
「誰と組むか」
転職エージェントは複数社を並行利用するのが一般的です。私もヘッジホッグコンサルティングとリクルートエージェントを同時に使っています。ただ、活動してみてわかったのは「担当者との相性と理解度」が結果に直結するということです。
クリエイティブ職の転職は、営業職や事務職と異なり、スキルの説明が複雑です。「OOHとデジタルを統合したビジュアル設計ができる」「クライアントの競合分析からキービジュアルを提案できる」——こうした価値が伝わるエージェントと組めるかどうかが、紹介案件の質を左右します。
クリエイティブ職を専門としないエージェントに登録すると、スキルが正確に伝わらず、ミスマッチな求人ばかり紹介されることがあります。エージェントとの最初の面談で「ADとデザイナーの違いを理解しているか」を見極めることが大切です。
クリエイティブ・広告専門のエージェント(ユウクリ・マイナビクリエイター・クリーク・アンド・リバーなど)と、総合型エージェント(リクルート・doda)を組み合わせる。専門エージェントは案件数は少ないが質が高く、担当者がクリエイティブ職を理解している。
評価が分かれる
アートディレクターという職種は、企業によって求めるものが大きく異なります。「ビジュアルを作れる人」を求める企業もあれば、「ビジュアルを通じてビジネス課題を解決できる人」を求める企業もある。後者の企業ほど、マーケティングの視点を持つADを高く評価します。
私のキャリアはADとしての制作経験に加え、Web広告・SEO/MEO・SNS運用・OOH・Salesforce・GA4活用といったマーケティング実務が組み合わさっています。これを「ADとマーケを兼務できる人材」として打ち出すことで、純粋なデザイナー求人とは異なる可能性が開けます。
Adobe Illustrator / InDesign学習中
Web広告 / SEO・MEO / SNS運用
GA4 / Salesforce
OOH / イベント / 展示会 / 競合分析
職務経歴書に「デザインの成果がビジネスにどう貢献したか」を数字で書く。例:「リニューアルしたチラシでコワーキング入会率◯%向上」「SNSバナーのA/Bテストでクリック率◯%改善」など。ビジュアルの先にある成果を言語化する習慣を持つ。
メンタルを保つ
40代転職でメンタル的に一番きついのは、「書類が通らない期間の長さ」です。20代・30代の転職と比べて選考フローに時間がかかり、不採用の連絡も増えます。1社に絞って結果を待つスタイルは、精神的に消耗します。
私が実践しているのは「転職活動と並行してアウトプットを続ける」ことです。ポートフォリオの更新・ブログ(このサイト)への記事執筆・XでのコンテンツUP……転職活動以外の場所で「自分のクリエイティブが動いている感覚」を保つことが、長期戦を乗り越える鍵だと感じています。
現職での業務をこなしながら、応募書類の作成・ポートフォリオ更新・面接準備を同時に進めるのは体力的にタフです。週単位でタスクを区切り、「今週は○社応募・○ページ更新」という小さな目標設定がおすすめです。
常時3〜5社に並行応募する。1社落ちても「他が動いている」という状態を維持することで、不採用の精神的ダメージを分散できます。また、転職活動の記録をアウトプット(ブログ・SNS等)に変換することで、活動自体がポートフォリオの一部になります。
よくある質問
転職活動 スタート前チェックリスト
これから40代で転職活動を始める方向けに、最初にやっておくべきことをまとめました。
- ポートフォリオPDF(A4・8〜12点)を最新状態にする
- 職務経歴書に「成果の数字」を最低3つ入れる
- クリエイティブ専門エージェントに1社以上登録する
- 求人サイト(Green・マイナビ・リクナビNEXT)でキーワード検索し市場感を把握する
- 在職中の転職活動スケジュール(週次タスク)を決める
- 転職の「優先条件」をTop3で決めておく(年収・職種・業種など)
- オンラインポートフォリオ(BehanceやNotion)を整備する
- 40代ADの転職は「35歳限界説崩壊後」も年齢フィルターが書類選考段階で機能している。気楽に構えると序盤で消耗する
- ポートフォリオは量より「課題→戦略→クリエイティブの文脈」。精選した6〜10点でストーリーを作る
- エージェントは何社使うかよりクリエイティブ職を理解している担当者を見つけることが優先
- 「ADとマーケを兼務できる」という打ち出し方が、純粋なデザイナー求人との差別化になる
- 常時3〜5社並行応募でメンタルを分散。活動のアウトプットをブログ・SNSにも変換することで長期戦を乗り越える


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