金の価格は、この50年でどう動いた?これからも上がる?
さきに結論:国内の金価格(田中貴金属・年平均)は、1976年の1g=1,257円から2025年の17,302円へ、50年で約14倍になりました。2026年3月には1g=27,550円(税抜)の過去最高値をつけ、9月24日の店頭小売価格は24,223円(税込)です。
ただし、1980年の高値を買った人が元本に戻るまで約40年かかったのも金の歴史です。この記事では田中貴金属の公表データをもとに、50年の値動き、上がった理由、円安の影響、そして「いつ買った人がどうなったか」を確かめられるシミュレーターをまとめました。
金価格50年の推移|1g=1,257円から17,302円へ
国内金価格の年平均(円/g・税抜)1976〜2025年
棒にカーソルを合わせる(タップする)と年と価格が表示されます
出典:田中貴金属工業「年次金価格推移」(小売価格の年平均)。色:■1980年の高値期 ■下落・低迷期 ■上昇期
1980年の最高値
6,495円
第2次オイルショック後
1999年の最安値
917円
1980年高値から−86%
1980年高値の更新
2020年
年間最高値7,063円
2026年の最高値
27,550円
3月(税抜)
金価格を動かした5つの転換点
1979〜1980年|オイルショックとインフレ
高インフレと中東情勢で急騰。年平均は1978年1,343円→1980年4,499円、1月には6,495円の最高値。
1980〜1999年|高金利と円高で20年の下落
米国の高金利で「利息がつかない金」は敬遠され、プラザ合意後の円高も重なって、円建てでは1999年に917円まで下落。
2001〜2011年|ITバブル崩壊とリーマンショック
株式への不安と金融緩和で上昇。ドル建ては2001年の271ドルから2011年の1,572ドルへ約5.8倍。一方、円高(1ドル約80円)で円建ての上昇は約3.7倍にとどまる。
2020年|コロナショック
大規模な金融緩和で上昇し、年間最高値7,063円で1980年の高値を約40年ぶりに更新。
2022年〜|円安と中央銀行の金買い
ロシア・ウクライナ情勢以降、各国の中央銀行が金の保有を増やし、ドル建て価格が上昇。そこに円安が重なり、円建ては2021年の6,402円から2025年の17,302円へ約2.7倍に。
価格は田中貴金属工業「年次金価格推移」の年平均(円/g)とドル建て年平均(ドル/トロイオンス)。
円安の影響|2020→2025年の上昇の約3分の1は「円安分」
日本で買う金の価格は、「ドル建ての金価格 × 為替レート」で決まります。同じ値上がりでも、どこまでが金そのものの上昇で、どこからが円安なのかを分けて見ると、リスクが見えてきます。
| 年平均 | ドル建て(ドル/oz) | 為替(円/ドル) | 円建て(円/g) |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 1,769.59 | 107.77 | 6,122 |
| 2025年 | 3,431.54 | 150.62 | 17,302 |
| 変化 | 約1.94倍 | 約1.40倍 | 約2.83倍 |
出典:田中貴金属工業「年次金価格推移」。為替はT.T.S.の年平均。円建て価格は国内の小売価格で、手数料などを含むため、単純な掛け算とは一致しません。
円高に戻ると、円建ては下がる
仮にドル建ての金価格が変わらず、為替が1ドル150円から120円になると、円建ての金価格は約2割下がる計算です。
円安への備えにはなる
逆に円安が進むと、円建ての金価格は上がりやすくなります。円預金だけの家計にとっては、円安への保険の役割も持ちます。
2026年の金価格|3月に最高値、その後は調整
2026年の月平均(円/g・税抜)
出典:田中貴金属工業「月次金価格推移」。ドル建ては同期間に1トロイオンス=4,353〜5,405ドルで推移、為替は1ドル=157〜160円台。
- 3月:1g=27,550円(税抜)の過去最高値。
- 6〜7月:月平均で2万1千円台まで下落。最高値から2割以上の調整。
- 9月24日:店頭小売価格 24,223円、買取価格 23,866円(いずれも税込)。
数か月で2割動くことは、金でも珍しくありません。「値上がりしているから今のうちに」と一度に大きく買うのは避け、少しずつ積み立てるのが基本です。
いつ買った人がどうなった?金の一括買い vs 積立シミュレーター
過去のデータで検証:金をいつから買っていたら?
年平均価格で買い、2026年9月24日の価格(税抜換算)で評価します。
—
—
—
—
前提:田中貴金属の年平均小売価格(税抜)で毎年同じ金額を購入。評価は2026年9月24日の店頭小売価格24,223円(税込)を税抜換算した約22,021円/g。売買手数料・保管料・税金・消費税の変遷は考慮していません。過去の結果は将来を保証しません。
今後の金価格を動かす4つの要因
金の価格は予想が難しい資産です。ここでは「上がる・下がる」を予想するのではなく、ニュースを見たときにどちらに効くかを整理します。
| 要因 | 金価格が上がりやすい | 金価格が下がりやすい |
|---|---|---|
| 米国の金利 | 利下げ(利息のない金の不利が縮む) | 利上げ(1980年代がその例) |
| 中央銀行の動き | 新興国などの金の買い増し | 買いの減速・売却 |
| 世界情勢 | 紛争・金融不安・インフレ | 緊張の緩和・景気の安定 |
| 為替(円建ての場合) | 円安 | 円高(日銀の利上げが続く場合など) |
40代が金を持つなら|「主役」ではなく「保険」
- 割合は資産の5〜10%程度まで:金は利息も配当も生まず、長期間下がり続けた歴史もあります。株式の代わりではなく、株や円の下落に備える役割で持つのが基本です。
- 一括ではなく積立:1980年に一括で買うと、元本回復まで年平均ベースでも約35年。同じ1980年から20年間積み立てた場合は、2006年に元本を回復しています(下のシミュレーターで確認できます)。
- NISAで持つなら投資信託・ETF:現物の金や純金積立はNISAの対象外です。買い方の違いは金投資の初心者ガイドで比べています。
金価格に関するよくある質問
金価格は過去50年でどのくらい上がりましたか?
2026年の金価格の最高値はいくらですか?
なぜ金価格はここ数年で大きく上がったのですか?
金価格は今後も上がりますか?
高値のいま金を買うのは遅いですか?
まとめ|金は「上がってきた」が「ずっと上がる」とは限らない
- 国内金価格は50年で約14倍(1976年1,257円→2025年17,302円)。2026年3月に27,550円の最高値。
- 一方、1980年の高値から約20年下落し、回復に約40年。高値の一括購入はリスクが大きい。
- 2020→2025年の上昇は、ドル建て約1.94倍×円安約1.40倍。円高に戻れば円建ては下がる。
- 持つなら資産の5〜10%程度を積立で。株式の代わりではなく「保険」として。
出典・参考(2026年9月24日確認)
- 田中貴金属工業「年次金価格推移」「月次金価格推移」「過去1ヶ月間 日次金価格」
- 日本銀行 金融政策決定会合(2026年9月18日、政策金利1.25%程度)



コメント