
S&P500とオルカン、結局どっちを積み立てればいい?
先に結論:過去10〜20年の成績はS&P500の方が上でした。ただし、暴落したときの下がり方はほぼ同じです。差が出るのは「米国が長く低迷したとき」で、2000年代の約10年間は全世界株式の方が成績が良い時期もありました。
つまり、どちらが正解かではなく、「米国1か国に集中するリスクを受け入れられるか」と「暴落しても続けられるか」で選ぶのが現実的です。
この記事では、S&P500一択から始めて、暴落を何度か経験したあとオルカンに切り替えた私の体験と、データの比較を図解でまとめました。最後に5問の診断で、あなたに合う方がわかります。
私がS&P500一択からオルカンに乗り換えた理由
私は2019年ごろ、S&P500一択で積立を始めました。「米国が世界経済の中心である限り、米国株だけで十分」と考えていたからです。
ところが、その後の数年間で、相場が大きく揺れる場面を何度も経験しました。
【図解】私が積立中に経験した主な暴落と、そのときの気持ち
S&P500一択で積立スタート
米国株は強い、という空気の中で迷わず決めた。
原油価格の急落とコロナショック
S&P500は約1か月で3割以上下落。売らずに、積立の掛け金を2倍にして買い続けた。
米国の利上げによる下落
1年を通してじわじわ下がり続けた。「米国1か国だけで大丈夫か」と考え始めた。
関税ショックと中東(イラン)をめぐる戦争
政治や戦争のニュースひとつで米国株が大きく動くのを見て、一国集中のリスクを実感した。
オルカン6割・S&P500 4割に
積立の中心をオルカンに移し、米国の伸びも取りにいく形にした。
筆者個人の経験です。下落率などの数字は下の「暴落時の比較」で示しています。
正直に書くと、オルカンに切り替えても、暴落のときに下がらなくなるわけではありません。オルカンの約6割は米国株なので、米国が大きく下がればオルカンも下がります。それでも切り替えたのは、「米国だけが長く伸びない時代が来ても、ほかの国の成長で補える」という安心感がほしかったからです。
2020年のコロナショックのときは、売るのではなく積立の掛け金を一時的に2倍にして買い増しました。結果的にはその後の回復で報われましたが、S&P500一択だったぶん、下がっている間の不安は大きかったです。
今はオルカン6割・S&P500 4割の配分で積み立てています。全部を乗り換えたのではなく、「世界に分散する土台」をオルカンにして、米国の成長はS&P500で少し上乗せするイメージです。どちらか一方に決めきれない人は、この「組み合わせる」選択肢もあります。
S&P500とオルカン、中身の違い
【図解】投資先の国の内訳(イメージ)
S&P500
オルカン(全世界株式)
オルカンが連動をめざすMSCI ACWIは、47か国・約2,500銘柄で構成され、米国の比率は6割台前半です(時期によって変わります)。比率はイメージです。
| 比べる項目 | S&P500 | オルカン |
|---|---|---|
| 投資先 | 米国の大企業約500社 | 47か国・約2,500社 |
| 信託報酬(eMAXIS Slim) | 年0.0814% | 年0.05775% |
| 過去10〜20年の成績 | 上 | 下 |
| 向いている人 | 米国の成長を信じ、値動きに耐えられる人 | 1つの国に賭けたくない、迷わず続けたい人 |
信託報酬は税込・2026年時点。100万円を1年持った場合の差は約240円で、選ぶ決め手にはなりません。
暴落したとき、どちらが下がる?
「オルカンの方が暴落に強い」と思われがちですが、実際の大きな下落ではほぼ同じだけ下がっています。
【図解】大きな下落局面での下落率
コロナショック(2020年2〜3月・最大下落率)
米国の利上げ局面(2022年・年間)
世界中が同時に下がる暴落では、分散しても下落は避けられません。暴落への備えは「銘柄選び」ではなく「売らずに続けられる資金計画」です。
米ドル建ての指数(S&P500、MSCI ACWI)のおおよその値。円建てでは為替の影響で変わります。
時代によって「勝つ方」は入れ替わる
差がはっきり出るのは、短い暴落ではなく10年単位の長い期間です。
【図解】10年単位で見た、優位だった方
2000〜2010年ごろ
全世界株式が優位
ITバブル崩壊と金融危機で米国株が伸び悩んだ「失われた10年」
2010〜2025年ごろ
S&P500が優位
巨大IT企業の成長で米国株が世界を大きく上回った
これからの20年
誰にもわからない
だからこそ「どちらになっても後悔しない」選び方が大事
40代から20年積み立てるなら、その20年が「米国の時代」か「世界に広がる時代」かで結果が変わります。当てにいくならS&P500、外さないことを優先するならオルカン、というのが私の結論です。迷うなら、両方を組み合わせるのも合理的な方法です(私はオルカン6割・S&P500 4割にしています)。
5問で診断|あなたに合うのはS&P500?オルカン?
近いものを選んでください。5問すべてに答えると結果が表示されます。
よくある質問
Q. S&P500とオルカン、どっちがいいですか?
過去10〜20年の成績はS&P500が上でしたが、2000年代のように米国株が伸び悩んだ時期は全世界株式が優位でした。将来どちらが勝つかはわからないため、米国の成長に賭けるならS&P500、特定の国に偏らず続けたいならオルカンが向いています。
Q. オルカンは暴落に強いですか?
大きな暴落ではS&P500とほぼ同じだけ下がっています。2020年のコロナショックではS&P500が約34%、全世界株式が約33%下落しました。オルカンの約6割は米国株のため、米国が下がればオルカンも下がります。
Q. S&P500からオルカンに乗り換えるべきですか?
NISA口座の中で売却して買い直すと、売った分の非課税枠は翌年以降に復活しますが、その年の投資枠を使うことになります。乗り換えるより、これからの積立先だけを変える方法が手軽です。
Q. 両方を持つ意味はありますか?
オルカンにも米国株が約6割含まれるため、両方持つと米国の比率が高くなります。それでも「米国寄りにしたいが、全部は不安」という場合には、半分ずつ持つのは合理的な選び方です。
主な参考資料
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
- MSCI「MSCI ACWI Index」、S&P Dow Jones Indices「S&P 500」
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入をすすめるものではありません。投資は元本割れのリスクがあります。最終的な判断はご自身で行ってください。



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