新NISAはいつ・いくら取り崩す?40代から考える『4%ルール』と出口シミュレーション

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SHINNISA 資産運用
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「新NISAでコツコツ積み立ててきたけれど、いざ使うときにどう取り崩せばいいのかが、じつはいちばんわからない」——40代になると、そんな声をよく聞くようになります。ためる話はたくさんあっても、使いはじめる(取り崩す)話は、あまり語られてきませんでした。

この記事では、老後の入り口に立つ40代の会社員が、いつ・いくら取り崩すのかを、有名な「4%ルール」を手がかりにやさしく整理していきます。むずかしい計算は最小限にして、じっさいの金額イメージがつかめることを大切にしました。

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そもそも「取り崩し」を考えないといけないのはなぜ?

投資の世界では、ためるフェーズ(資産形成期)よりも、使うフェーズ(取り崩し期)のほうがむずかしい、とよくいわれます。理由はシンプルで、相場が下がっているときにお金を引き出すと、資産の減りかたが一気に早くなるからです。

とくに新NISAは非課税で運用できるぶん、「せっかくだから使わずに置いておきたい」という気もちも働きます。でも、お金は使うためにためるもの。計画のない取り崩しは、こわいのです。だからこそ、早めに出口の地図を持っておくと安心できます。

「4%ルール」ってなに?やさしく解説

4%ルールとは、アメリカのトリニティ大学の研究が元になった考えかたで、ざっくりいうと「引退した年の資産の4%を目安に、毎年取り崩していけば、資産が長もちしやすい」という目安のことです。

この研究では、株式と債券を組み合わせたポートフォリオで、毎年4%ずつ取り崩しても、30年後に資産が残っている確率がとても高かったと report されています。具体的には、株式50〜75%の配分で、30年間資産が尽きなかった成功率は約95〜98%という結果でした。

出典:Trinity Study(Cooley, Hubbard & Walz, 1998)ほか各種アップデート研究

つまり、3,000万円をためて引退したなら、初年度はその4%=120万円(月10万円)を取り崩す、というイメージです。下の表で、資産額ごとの目安を見てみましょう。

資産額 年間4% 月あたり ひとことメモ
1,000万円 40万円 約3.3万円 ゆとりの上乗せに
2,000万円 80万円 約6.7万円 生活費の一部を補える
3,000万円 120万円 約10万円 年金+αで安心感アップ
5,000万円 200万円 約16.7万円 かなり心強い水準

出典:4%を単純に掛けた筆者試算。運用益・税・手数料は考慮していない概算

ただし、この4%という数字はアメリカのデータが元になっている点には注意が必要です。日本は物価の上がりかたや税のしくみがちがうため、そのまま当てはめると少しずれることもあります。だから「4%はあくまで出発点の目安」ととらえて、じぶんの暮らしに合わせてゆるく調整していくのがおすすめです。実際には、3.5%くらいの少し控えめな取り崩しからはじめて、様子を見ながら上げ下げするかたも多いです。

💡 新NISAで毎月いくら積み立てるか迷っているの方へ:→ 新NISA 毎月いくら積み立てる?40代の実例

「定率」と「定額」、取り崩し方は2つある

取り崩しかたには、大きく2つのやりかたがあります。ひとつは4%ルールのようにそのときの資産の◯%を引き出す「定率取り崩し」、もうひとつは毎月◯万円と決めて引き出す「定額取り崩し」です。どちらにも、いいところと注意点があります。

定率取り崩しの特ちょう

定率は、資産が減れば引き出す額も自動で減るので、お金が長もちしやすいのが利点です。ただし、相場が下がった年は受け取れる金額もぐっと減るため、生活費が読みにくい、という弱点があります。

定額取り崩しの特ちょう

定額は、毎月の金額が一定なので家計の見通しが立てやすいのが魅力です。いっぽうで、暴落したときも同じ額を引き出すことになるので、資産が早く目減りするリスクがあります。

くらべる点 定率(4%など) 定額(毎月◯万円)
受け取る額 毎年かわる 一定で読みやすい
資産の長もち 長もちしやすい 減りが早いことも
暴落時 受取額が減り資産を守る 同額を引き出し傷が深く
向いている人 とにかく長く使いたい 毎月の予算を固定したい

出典:各取り崩し方式の一般的な特徴を筆者が整理

おすすめは、ふだんは定率をベースにしつつ、下落した年は生活を少しだけ引きしめるという組み合わせです。かんぺきを目指さず、ゆるく調整していくのがコツになります。

40代からの逆算|いつから取り崩す?

40代のいまは、まだためるフェーズのまんなかにいます。取り崩しをはじめるのは一般的に60代以降ですが、そこから逆算して今の積立額を決めると、ぐっと現実的になります。

たとえば45歳のかたが65歳までの20年間、毎月3万円を積み立てて、年4%で運用できたとすると、元本720万円が約1,100万円前後に育つ計算です(あくまで概算で、結果を約束するものではありません)。その1,100万円を4%で取り崩すと、初年度は年44万円・月約3.6万円が目安になります。

出典:月3万円×20年・年利4%の複利で筆者試算。運用結果を保証するものではない

取り崩し開始 ためる期間の残り 考えかたのヒント
60歳から あと約15〜20年 早い分ゆっくり使える。額は控えめに
65歳から あと約20年 年金開始とタイミングを合わせやすい
70歳から あと約25年 繰下げ受給と組み合わせると心強い

出典:公的年金の受給開始は原則65歳、繰下げは最大75歳まで。日本年金機構

もうひとつ大切なのが、公的年金との合わせ技です。年金は一生もらえる心づよい土台なので、その足りない分をNISAで補う、という発想にすると、取り崩す額はぐっと少なくてすみます。たとえば毎月の生活費のうち、年金でまかなえない3〜5万円ぶんだけをNISAから取り崩す、といった形です。そう考えると、必要な資産額のハードルも下がって、気もちがずいぶん軽くなります。

💡 NISAとiDeCoのどちらを先にやるか迷っているの方へ:→ NISAとiDeCoどっちを優先すべき?40代の比較

出口シミュレーション|3,000万円を4%で取り崩すと

ここからは、65歳で3,000万円をためられたと仮定して、4%の定率で取り崩したときのイメージを見ていきます。運用は続けながら(年3%で回ると仮定して)取り崩す前提の、ざっくりした試算です。

経過年 年のはじめの資産 その年の取り崩し(4%) 年末のおおよそ残高
1年目 3,000万円 120万円 約2,960万円
5年目 約2,900万円 約116万円 約2,870万円
10年目 約2,780万円 約111万円 約2,750万円
20年目 約2,540万円 約102万円 約2,510万円

出典:年利3%運用・毎年4%定率取り崩しの筆者概算。相場次第で大きく変動する

ポイントは、運用を続けながら取り崩すと、資産がなかなか減らないという点です。上の表でも、20年たっても2,500万円ほど残る計算になっています。もちろん、これは相場が想定どおりに回った場合の話で、暴落が続けば結果は変わります。

「取り崩しているのに、どうして資産があまり減らないの?」と不思議に思うかもしれません。これは、運用で増える分が、取り崩す分をある程度うめてくれるからです。年3%で増えて4%を引き出せば、差し引きは1%ぶんだけ。だから、ゆっくりとしか減っていかないのです。ここが、ただ貯金を取り崩すのとは大きくちがうところで、投資を続けながら使う強みといえます。

💡 暴落がこわい・下落時の対処を知りたいの方へ:→ NISAで損失が出たら?暴落時の正しい対処法

気をつけたいリスクと、3つのシナリオ

4%ルールはあくまで目安で、日本の税制や物価、これからの相場によって、うまくいくかどうかは変わります。とくに注意したいのが、取り崩しはじめの数年で暴落が来る「シークエンス・リスク」です。序盤に大きく減ると、そのあとの回復がむずかしくなります。

シナリオ 相場のイメージ 取り崩しの工夫
順調ケース 平均4〜5%で安定 4%をそのまま継続でOK
ふつうケース 上下しながら年3%程度 下げた年は3%に控える
きびしいケース 序盤に大きな暴落 数年は生活費を圧縮/現金を使う

出典:各シナリオは筆者が想定した仮の例。実際の相場を予測するものではない

こわがりすぎる必要はありませんが、現金のクッションを1〜2年分もっておくと、暴落の年に投資を取り崩さずにすみます。これは、出口戦略でいちばん効く「お守り」です。

もうひとつ忘れてはいけないのがインフレ(物価上昇)です。物価が上がると、同じ4%を取り崩しても、実際に買えるモノの量は少しずつ減っていきます。だからこそ、現金だけで持つよりも、ある程度は運用を続けてお金にも働いてもらうことが、長い目で見た備えになります。こわがって全部を現金にしてしまうと、かえって目減りしてしまうこともあるのです。

💡 やめる・売るべきか迷っているの方へ:→ NISAを途中でやめるとどうなる?判断軸を解説

新NISAならではの、取り崩しの注意点

新NISAは、売っても非課税枠がその翌年にふたたび使えるのが大きな特ちょうです。だから、取り崩したあとにまた積み立てなおす、という柔らかい使いかたもできます。

いっぽうで気をつけたいのは、非課税だからと利益を追いすぎて、必要なときに現金化できない状態になることです。老後が近づいたら、値動きの大きい資産の割合を少しずつ下げていくのがおすすめです。ためる時と使う時では、ちょうどよいバランスがちがってきます。

iDeCoとの取り崩し順もセットで考える

iDeCoは受け取り時に税金の扱いがあるため、NISAとiDeCoのどちらから使うかで、手もとに残るお金が変わってきます。ざっくりいえば、受け取りの自由度が高いNISAを先に、iDeCoは退職金との兼ね合いを見ながら、というのが基本の型です。

出典:iDeCoの受け取りは退職所得控除・公的年金等控除の対象。国税庁

💡 iDeCoの節税や受け取りが気になるの方へ:→ 40代からのiDeCo完全ガイド【節税シミュ付き】

まとめ|40代のうちに「出口の地図」を持っておこう

取り崩しは、ためること以上に大切な、資産形成の後半戦です。今回のポイントをふりかえっておきます。

  • 4%ルールは「引退時の資産の4%を毎年取り崩す」やさしい目安。
  • 定率は長もち、定額は読みやすい。ふだんは定率+下落時に調整がおすすめ。
  • 序盤の暴落(シークエンス・リスク)に備え、現金を1〜2年分もっておく。
  • 新NISAとiDeCoは、受け取りの自由度を考えて使う順番を決める。

40代のいまは、まだ取り崩しまで時間があります。だからこそ、ゴールから逆算して、いまの積立を無理なく続けることがいちばんの近道です。あせらず、やさしく、じぶんのペースでいきましょう。

💡 もっと具体的な資産づくりの計画を知りたいの方へ:→ 40代から資産1,500万円を作る計画【実践例】

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。掲載の数値はあくまで概算・仮定であり、将来の運用成果を保証するものではありません。実際の投資判断はご自身の責任において行ってください。

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