
40代、NISAとiDeCoはどっちを優先すべき?
さきに結論:2026年から答えが変わりつつあります。所得税の基礎控除が増え、年収530万円くらいまでの会社員は所得税率が5%、680万円くらいまでは10%のケースが多くなり、iDeCoの節税効果は以前より小さくなりました。そのため、「まずNISAで自由に使えるお金を積み、余裕があればiDeCo」という順番が合う人が増えています。一方、所得税率が20%以上の人や、60歳まで使わないと決めたお金がある人は、今でもiDeCoが強い選択肢です。
下のシミュレーターに年収と毎月の予算を入れると、iDeCoの節税額、60歳時点の資産、どこまでをiDeCoに回すと得かが分かります。
この記事を書いた人
31歳から積立投資を始め、40歳でNISAとiDeCoの合計1,500万円に到達。現在は松井証券のつみたて投資枠で月10万円を積み立てています。不動産会社で査定・物件調査・売買仲介に携わり、1,000件以上の相談を受けてきた経験から、お金と住まいの判断を発信しています。
NISAとiDeCoの違い|「いま税金が戻る」か「いつでも使える」か
| NISA | iDeCo | |
|---|---|---|
| 入れるときの節税 | なし | 掛金が全額所得控除 |
| 運用中の利益 | 非課税 | 非課税 |
| 受け取るとき | 非課税 | 課税(退職所得・雑所得の控除あり) |
| 引き出し | いつでも | 原則60歳まで不可 |
| 上限(会社員) | 年360万円・生涯1,800万円 | 月2.3万円 → 2026年12月分から月6.2万円(企業年金なし) |
| 口座の手数料 | 0円 | 加入時2,829円+毎月171円程度 |
iDeCoの手数料は国民年金基金連合会・事務委託先金融機関の手数料の合計(多くのネット証券で運営管理手数料は0円)。上限は企業型DCの有無などで異なります。
2026年に「優先順位」を変える3つの改正
① 所得税率が下がった(iDeCoに逆風)
2026年分から所得税の基礎控除が最大104万円に。年収500万円の会社員は課税所得が約176万円になり、所得税率10%→5%。iDeCo月2.3万円の節税額は年約5.6万円→約4.2万円に下がります。
② iDeCoの上限が6.2万円に(iDeCoに追い風)
2026年12月分(2027年1月引落)から、企業年金のない会社員は月2.3万円→6.2万円。税率の高い人ほど、節税できる金額が大きくなります。
③ 退職金との「10年ルール」(受け取りに注意)
2026年1月以降、iDeCoの一時金を先に受け取り、その後に退職金を受け取る場合、控除の重複を調整する期間が5年から10年に延長。退職金が多い人は、受け取り方の計画がより大切になりました。
出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」、令和8年度税制改正の解説、マネックス証券「iDeCo拠出限度額および加入可能年齢の引き上げ(2026年12月制度改正)」。節税額は年収500万円・40代・扶養なし(他の控除なし)の条件での試算。
NISA・iDeCo 配分シミュレーター【2026年の税制】
毎月の予算を、NISAとiDeCoにどう分ける?
スライダーを動かすと、結果がその場で変わります。
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前提:2026年分の所得税(基礎控除の特例加算を含む)と住民税10%で、iDeCoの掛金による節税額を計算。社会保険料は年収の15.3%で概算、扶養・他の控除なし。月2.3万円を超えるiDeCoは2026年12月分以降の上限(企業年金なしの会社員)。60歳まで同じ条件で積み立てると仮定し、iDeCoの受け取り時の税金と手数料は含みません。利回りは仮定です。
あなたはどっちが先?優先順位チャート
いいえ → まず貯金。NISAもiDeCoも、その後で。
はい ↓
はい → NISAを優先。いつでも引き出せることが大事。
いいえ ↓
はい → iDeCoを先に満額、残りをNISAへ。節税効果が大きい。
いいえ(5〜10%) ↓
はい → NISA中心+iDeCoは少額。受け取り時の税金が重くなりやすい。
いいえ → NISA中心+iDeCoは月1〜2万円から。60歳まで使わないと決めたお金だけiDeCoへ。
年収(所得税率)別|NISAとiDeCoの優先順位の目安
上のチャートの考え方を、所得税率ごとに表にまとめました。年収は会社員の目安で、扶養や他の控除によって変わります。
| 所得税率 | 年収の目安(会社員) | 優先順位の目安 |
|---|---|---|
| 5% | ||
どの税率でも、生活費の6か月分の貯金と、5〜10年以内に使う予定のお金は先に確保します。iDeCoだけを基礎から知りたい方は40代からのiDeCo完全ガイド、NISAの口座選びから出口戦略までは新NISA完全ガイドを参考にしてください。
見落としがち|iDeCoは「受け取るとき」に税金がかかる
iDeCoは入れるときに税金が戻る代わりに、受け取るときは課税の対象です。多くの人は控除の範囲に収まりますが、退職金と重なると税金がかかることがあります。
一時金で受け取る
退職所得として退職所得控除が使えます。ただし会社の退職金と同じ控除枠を分け合うため、退職金が多いと控除が足りなくなることがあります。
年金で受け取る
雑所得として公的年金等控除が使えます。公的年金と合算されるため、年金額が多い人は課税されやすくなります。
2026年からの「10年ルール」
iDeCoの一時金を先に受け取ってから、10年以内に退職金を受け取ると、控除の重複が調整されます(以前は5年)。受け取る順番と間隔で税金が変わるので、50代になったら計画を立てましょう。
図で整理|NISAとiDeCo、どっちを先にするか
ここまでの内容を、図でまとめます。私自身の9年間の積立の記録は、資産1,500万円プランで詳しく書いています。
40代の筆者が両方やってみて分かったこと
ここでは、私自身の使い方を正直に書きます。あくまで個人の運用例で、特定の方法をすすめるものではありません。
今の配分|NISA中心で、iDeCoも併用
NISAを中心に積立投資を行い、iDeCoも併用しています。投資先は、オルカン60%、S&P500 40%の割合です。
iDeCoで不安だった点|60歳まで引き出せない
原則60歳まで引き出せない点が、いちばん不安でした。急な出費や転職、収入の変化があると、資金を自由に使えないからです。そのため、iDeCoの掛金は慎重に考えています。
先にNISAを優先した理由|資金の自由度
NISAは必要になれば売却して現金化できるため、資金の自由度が高いからです。老後資金だけでなく、将来の生活や予期せぬ出費にも対応できるよう、まずはNISAを優先しました。
いちばん役に立った工夫|自動積立と、動かないこと
毎月の積立を自動設定し、短期的な株価の上下を気にして売買しないことです。オルカンとS&P500を組み合わせ、長期の視点で資産形成を続けることを意識しています。
筆者は40代の会社員で、iDeCoとNISAの両方でオルカン60%・S&P500 40%のインデックス投資を続けています。
- iDeCoの「戻った税金」は見えにくい:節税分は年末調整でまとめて戻るので、意識しないと生活費に消えます。筆者は戻った分をNISAに回すと決めてから、効果を実感しやすくなりました。
- 「60歳まで引き出せない」は思った以上に重い:急な出費があったとき、iDeCoのお金には手をつけられません。NISAに引き出せるお金があることで、安心してiDeCoを続けられています。
- 2026年の改正で配分を見直す:所得税率が下がったぶんiDeCoの節税効果は小さくなったので、12月からの上限アップに合わせてやみくもに増額するのではなく、シミュレーターで節税額と使い道を確認してから決めるつもりです。
NISAとiDeCoに関するよくある質問
40代はNISAとiDeCo、どちらを優先すべきですか?
年収500万円でiDeCoをすると、いくら節税できますか?
iDeCoの上限はいつから、いくらになりますか?
iDeCoは受け取るときに税金がかかりますか?
NISAとiDeCoで同じ投資信託を買ってもいいですか?
まとめ|2026年は「税率」と「使う時期」で決める
- 2026年分から所得税率5%の人が増え、iDeCoの節税効果は小さくなった(年収500万円で月2.3万円なら年約4.2万円)。
- 所得税率5〜10%で、近いうちに使うお金がある人はNISAを優先。
- 所得税率20%以上の人は、2026年12月からのiDeCo上限6.2万円を活用する価値が大きい。
- iDeCoは受け取り時に課税されることがある。退職金が多い人は「10年ルール」も踏まえて計画を。
あわせて読みたい
出典・参考(2026年9月確認)
- 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」/令和8年度税制改正の解説
- マネックス証券「iDeCo拠出限度額および加入可能年齢の引き上げ(2026年12月制度改正)」
- 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」(手数料・受け取り)
- 令和7年度税制改正(退職所得控除の調整期間の見直し:2026年1月1日以後)



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