iDeCoのポートフォリオは40代でどう組む?商品の選び方と配分例をデータで解説【2026年版】

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iDeCoの口座は開いたものの、なかから何を選べばよいのか、手が止まっていませんか。40代は運用できる期間が20年前後に限られるため、配分の決め方が20代とは変わってきます。この記事を読む前に多い、3つの疑問を挙げてみます。

  • iDeCoのポートフォリオは、40代ならどう組めばよいのでしょうか。
  • ほかの加入者は、実際にどんな商品を選んでいるのでしょうか。
  • 元本確保型は、混ぜたほうがよいのでしょうか。

結論からお伝えします。iDeCoは60歳まで引き出せない代わりに運用益が非課税になる制度のため、まず「低コストの株式インデックス1本」を軸にして、値動きへの耐性に応じて債券や元本確保型を足すという順番で考えると、迷いが減ります。実際、iDeCo加入者の資産では外国株式型が39.4%ともっとも多く、預貯金と保険を合わせた元本確保型は23.1%にとどまります(2025年3月末時点)。ただし配分に唯一の正解はなく、元本保証ではない点は最初に押さえておく必要があります。

この記事でわかること

  • 40代がiDeCoの配分を決める前に押さえる3つの前提と、掛金の上限
  • iDeCo加入者が実際に選んでいる商品の割合(公表統計データ)
  • ポートフォリオの型を3つに絞った、具体的な配分例
  • 信託報酬と口座管理手数料が20年でどれだけ差になるかの試算
  • 40代がとくに注意したいリスクと、見直しのタイミング
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iDeCoのポートフォリオを決める前に押さえる3つの前提

商品を選ぶ前に、iDeCoという入れ物のクセを知っておくと判断が早くなります。NISAとは「引き出せる時期」「掛金の上限」「選べる商品数」の3点が大きく違うためです。ここを飛ばして商品名から入ると、あとで配分を組み直すことになりがちです。

60歳まで引き出せないという制約

iDeCoは老後資金づくりの制度のため、原則として60歳になるまで資産を引き出せません。40代で始めた場合、運用できる期間はおよそ15年から25年になります。この「途中で使えない」という性質は、短期の値動きを気にしにくくなるという意味では有利にはたらきます。

一方で、教育費や住宅費などで数年以内に使う可能性のあるお金は、iDeCoに入れるべきではありません。生活防衛資金を確保してから掛金を決めてみてください。

掛金の上限は働き方で変わる

掛金は月5,000円以上、1,000円単位で設定できます。上限は加入資格によって次のように変わります。

加入資格の区分 掛金の上限(月額)
第1号被保険者(自営業者等) 6.8万円
第2号被保険者(企業年金なしの会社員) 2.3万円
第2号被保険者(企業型DCのみ) 5.5万円 − 事業主掛金額(上限2万円
第2号被保険者(DB等あり) 5.5万円 − 掛金相当額(上限2万円
第2号被保険者(公務員等) 2万円
第3号被保険者(専業主婦・主夫等) 2.3万円

出典:中央労働金庫「iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金の拠出限度額」(2026年8月時点)

なお、2027年1月からは会社員(企業年金なし)の上限が月6.2万円へ引き上げられる予定です。掛金が増えれば、配分の考え方も変わってきます。

出典:セゾン投信「iDeCo改正|拠出上限額・加入年齢が引き上げに」

選べる商品は最大35本に限られる

iDeCoでは、運営管理機関が提示できる運用商品の数に上限が設けられています。数千本から選ぶNISAと違い、あらかじめ絞り込まれた一覧から選ぶ形になります。裏を返せば、金融機関を決めた時点で選べる商品がほぼ決まるということです。

iDeCo加入者は実際に何を選んでいるのか

配分を考えるとき、ほかの加入者の実態を知ると基準ができます。公表されている統計を見ると、iDeCoでは外国株式型への集中がはっきりしています。企業型DCと比べると、その傾向はさらに強くなります。

iDeCo加入者の資産構成割合

運営管理機関連絡協議会が公表している統計から、資産の内訳を見てみます。

商品分類 iDeCo(個人型) 企業型DC
外国株式型 39.4% 25.2%
預貯金 17.9% 21.8%
バランス型 16.2% 20.9%
国内株式型 11.5% 14.3%
保険 5.2% 8.5%
外国債券型 3.2% 4.0%
国内債券型 1.7% 3.2%

出典:運営管理機関連絡協議会 公表統計資料(2025年3月末時点)/auアセットマネジメント「iDeCo&企業型DC、みんな何に投資してる?」

自分で金融機関を選んで始めるiDeCoでは、外国株式型が約4割を占めます。預貯金と保険を足した元本確保型は23.1%です。会社の制度として始まる企業型DCで預貯金が21.8%と高いのとは、対照的な結果になっています。

元本確保型だけで運用している人もいる

野村総合研究所のレポートによると、企業型DCの加入者のうち26.7%が元本確保型のみで運用していました(2023年3月時点)。同時に、投資信託の比率は2018年3月の47.1%から2023年3月には60.7%まで上がっています。

出典:野村総合研究所「データで見る確定拠出年金の現状~積極化に向かう確定拠出年金の資産運用~」(2024年)

全体としては投資信託へ移る流れがある一方、元本確保型を選び続けている層も一定数いる、というのが実態です。どちらが正しいという話ではなく、自分がどこまで値動きに耐えられるかで決める部分になります。

40代のポートフォリオは3つの型で考えてみる

配分を細かく検討しはじめると、かえって決められなくなります。まずは3つの型のどれに近いかを選び、そこから微調整すると進みやすくなります。以下は考え方の一例であり、特定の配分を推奨するものではありません。

型1:全世界株式1本にまとめる

もっともシンプルな形です。1本で先進国と新興国に分散されるため、自分でリバランスをする必要がほとんどありません。手間を最小にしたい方に向いています。値動きは大きくなるため、下落局面でも積立を続けられるかが分かれ目になります。

型2:GPIFの基本ポートフォリオを参考にする

公的年金を運用するGPIFは、4資産に均等配分する方針を公表しています。老後資金という目的が近いため、参考にしやすい配分です。

国内債券25%/外国債券25%/国内株式25%/外国株式25%(乖離許容幅は国内債券±6%、外国債券±5%、国内株式±6%、外国株式±6%、債券全体±9%、株式全体±9%)

出典:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「基本ポートフォリオの考え方」第5期中期目標期間(2025年4月1日適用開始) https://www.gpif.go.jp/gpif/portfolio.html

株式と債券が半々になるため、型1より値動きは穏やかになります。そのぶん、期待できるリターンも下がる点は理解しておいてください。

型3:株式を軸にして債券をクッションにする

型1と型2の中間です。株式を中心に置きつつ、下落時の値動きをやわらげる目的で債券を一定量まぜます。3つの型を並べると、次のようになります。

株式 債券・元本確保型 向いている方
型1 全世界株式1本 100% 0% 手間をかけず、値動きに耐えられる方
型2 GPIF参考型 50% 50% 公的年金と同じ考え方で運用したい方
型3 株式+クッション 70〜80% 20〜30% 株式を軸にしつつ振れ幅を抑えたい方

出典:筆者作成(考え方の一例であり、将来の運用成果を示すものではありません)

迷った場合は、型3から始めて年1回見直すという進め方があります。60歳が近づくにつれて債券や元本確保型の比率を上げるという調整も、選択肢のひとつです。

コストは信託報酬と口座管理手数料の2階建て

iDeCoのコストは、商品にかかる信託報酬と、制度そのものにかかる口座管理手数料に分かれます。どちらも毎月ひかれ続けるため、20年という単位で見ると無視できない差になります。ここは配分と同じくらい重要な部分です。

毎月かかる口座管理手数料

iDeCoでは、掛金を出すたびに定額の手数料がかかります。運営管理機関を無料のところにしても、次の金額は共通で発生します。

手数料の種類 金額(税込) 発生タイミング
加入時手数料(国民年金基金連合会) 2,829円 加入時に1回
事務手数料(国民年金基金連合会) 105円 掛金の納付ごと
資産管理手数料(事務委託先金融機関) 66円 毎月
運営管理機関手数料 0円〜460円 毎月(機関により異なる)
給付事務手数料 440円 受け取りの都度

出典:三菱UFJ銀行「iDeCoの手数料」、ウエルスアドバイザー「iDeCoの手数料」(2026年8月時点)

運営管理機関手数料が0円の場合でも、毎月171円がかかります。20年続けると41,040円、加入時手数料を足すと43,869円です。ここで注意したいのが掛金額との比率です。掛金が月2.3万円なら171円は0.74%ですが、下限の月5,000円だと3.42%に達します。

信託報酬の差は20年でいくらになるか

低コストのインデックスファンドでは、信託報酬が年0.05775%(税込)という水準の商品もあります。仮に月2.3万円を20年積み立て、運用が年5%だった場合、信託報酬の違いで手元に残る金額を試算してみます。

信託報酬(年・税込) 20年後の評価額 最安水準との差
0.05775% 約939万円
0.20% 約924万円 約15万円
0.55% 約888万円 約51万円
1.00% 約844万円 約96万円

出典:筆者試算。前提は毎月23,000円を20年間積み立て(元本552万円)、運用利回りを年5%とし、そこから信託報酬を差し引いた実質利回りで複利計算したもの。口座管理手数料と税金は含みません。将来の運用成果を保証するものではありません。信託報酬0.05775%はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の水準(税抜0.05250%/投資信託協会 投信総合検索ライブラリー)を参照。

同じ運用成績でも、コストの違いだけで約96万円の差が生まれる計算になります。商品を選ぶときは、まず信託報酬の欄を見比べてみてください。

40代がとくに注意したいリスクと注意点

iDeCoは税制上の優遇が大きい制度ですが、そのぶん制約もあります。始めてから気づくと取り返しがつかない項目が3つありますので、掛金を決める前に確認してみてください。

途中でやめても現金化できない

掛金の拠出を止めることはできますが、原則として60歳まで引き出せません。運用指図者として資産を持ち続けるあいだも、事務委託先金融機関の手数料はかかり続けます。生活が苦しくなっても使えないお金である点は、繰り返しになりますが重要です。

元本確保型でも手数料負けが起こりうる

元本確保型を選べば運用による元本割れは避けやすくなります。ただし、口座管理手数料は商品にかかわらず発生します。金利が手数料を下回る局面では、資産が目減りする可能性があります。とくに掛金が少額の場合、手数料の比率が高くなる点に注意が必要です。

受け取るときには課税される

運用中は非課税ですが、受け取り時には課税対象になります。一時金なら退職所得控除、年金形式なら公的年金等控除が使えますが、会社の退職金と重なると控除枠を使い切ることがあります。出口の設計まで含めて考えておくと安心です。

ケース別に見る、配分の考え方

同じ40代でも、勤務先の制度や退職金の見込みで最適解は変わります。3つのケースに分けて、判断の軸を整理してみます。あくまで考え方の整理であり、個別の状況によって答えは変わります。

企業年金がない会社員の場合

掛金の上限が月2.3万円と、会社員のなかでは大きい区分です。所得控除の効果も出やすいため、上限に近い金額を出せるなら検討しやすい立場といえます。運用期間が20年前後あるなら、型1や型3のように株式の比率を高めに置く考え方があります。

退職金が多く見込める場合

iDeCoを一時金で受け取ると、退職所得控除を会社の退職金と分け合う形になります。受け取り方によっては税負担が増えるため、年金形式との組み合わせも含めて早めに試算しておくと安心です。配分そのものより、出口の順番のほうが効いてくるケースです。

値動きが不安な場合

下落したときに積立をやめてしまうと、回復の局面を取り逃がします。不安が強い方は、型2のように債券を厚めにするほうが続けやすくなります。続けられる配分が、結果としてもっとも合理的な配分になります。

見直し(リバランス)はいつ、どうやるか

一度決めた配分は、値動きによって少しずつずれていきます。頻繁に触る必要はありませんが、年1回の点検はしておきたいところです。GPIFが乖離許容幅を設けているのも、同じ考え方によるものです。

点検のタイミングを決めておく

誕生月や年末など、時期を固定すると忘れにくくなります。当初の配分から大きくずれていたら戻す、という運用で十分です。相場を見て判断しようとすると、かえって迷いが増えます。

スイッチングと配分変更は別のもの

iDeCoには2つの操作があります。すでに持っている資産を入れ替えるのがスイッチング、これから買う商品の割合を変えるのが配分変更です。両方をセットで行わないと、意図した配分になりません。ここは間違えやすい部分です。

まとめ

40代のiDeCoのポートフォリオは、次の順番で考えると決めやすくなります。商品名から入らず、制約とコストから逆算するのがポイントです

  • 60歳まで引き出せないことを前提に、生活防衛資金を確保してから掛金を決める
  • 3つの型(全世界株式1本/GPIF参考型/株式+クッション)から近いものを選ぶ
  • 信託報酬を優先して比べる(20年で約96万円の差になりうる)
  • 年1回だけ点検し、スイッチングと配分変更をセットで行う

iDeCo加入者の資産では外国株式型が39.4%を占めますが、これは多数派というだけで正解ではありません。自分が下落局面でも続けられる配分を選んでみてください。

よくある質問

iDeCoの商品選びについて、とくに質問の多い項目をまとめます。制度の細かい部分は運営管理機関によって扱いが異なることがありますので、最終的にはご自身の口座で確認してみてください。

iDeCoの商品は途中で変更できますか

できます。すでに持っている資産を入れ替えるスイッチングと、これから買う商品を変える配分変更の2つがあり、どちらも回数の制限は基本的にありません。ただし手続きの反映には数日かかります。

元本確保型だけを選んでも大丈夫ですか

選ぶこと自体は可能です。ただし口座管理手数料が毎月かかるため、金利がそれを下回ると資産は目減りします。掛金が下限の月5,000円の場合、手数料の比率は3.42%になります。

バランス型1本ではだめですか

問題ありません。iDeCo加入者の16.2%がバランス型を選んでいます。リバランスが自動で行われる利点がある一方、信託報酬は単一資産のインデックスファンドより高めになる傾向があります。

掛金を増やしたほうがよいですか

所得控除の効果は掛金に比例しますが、60歳まで引き出せない点は変わりません。手元の流動性とのバランスで決めてみてください。2027年1月からは上限が引き上げられる予定です。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。記載している制度・手数料・信託報酬は2026年8月時点の情報です。制度改正や商品の変更により内容が変わる場合がありますので、実際のお手続きの際は各運営管理機関の最新の資料をご確認ください。投資による損益はご自身に帰属します。

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