「千代田区の番町・麹町エリアのマンションは、資産価値が落ちにくいと聞きます。本当でしょうか」。こうした疑問に、公的なデータで答えます。

先に結論をお伝えします。国土交通省の地価公示を見ると、一番町・三番町・六番町の住宅地は、2020年から2026年までに約3〜4割上がっています。とくに2024年以降の上昇が大きく、「落ちにくい」というより「ここ数年は大きく上がってきた」というのが実態です。
この記事でわかること
- 一番町・三番町・六番町の地価が2020年からどう動いたか
- 番町エリアの地価が、荻窪などの住宅地と比べてどれだけ高いか
- 千代田区の人口と世帯の規模
- 購入前に確認する3点とチェックリスト
対象は番町・麹町エリアでマンション購入を検討している方です。学区の範囲や学校の評価は扱いません。学区は区の公式情報で、必ずご自身で確認してください。
現場での経験から
私は大手不動産会社で、査定を12年、物件調査を12年、売買仲介を9年経験し、これまで1,000件以上のご相談をお受けしてきました。
番町エリアの地価は、2020年からどれだけ上がったのでしょうか?
結論:三番町が約39%、一番町が約37%、六番町が約30%上がっています。
| 町名 | 2020年 | 2023年 | 2026年 | 2020→2026年 |
|---|---|---|---|---|
| 六番町 | 1,324万円/坪 | 1,402万円/坪 | 1,719万円/坪 | +29.8% |
| 三番町 | 1,008万円/坪 | 1,064万円/坪 | 1,398万円/坪 | +38.7% |
| 一番町 | 1,002万円/坪 | 1,051万円/坪 | 1,372万円/坪 | +36.9% |
出典:国土交通省「地価公示」。六番町と三番町には都道府県地価調査の地点が含まれます。各地点の価格を集計したサイト(totinokati.com)の平均値を使用。上昇率は筆者が算出。
2020年から2022年までは緩やかな動きでしたが、2024年から上昇が大きくなりました。たとえば一番町は、2023年の1,051万円/坪から2026年の1,372万円/坪へ、3年で約31%の上昇です。
価格が高い水準で推移しているため、「これから上がる」と決めつけず、いまの価格を前提に判断する必要があります。
番町エリアの地価は、ほかの住宅地とどれくらい違うのでしょうか?
結論:六番町の住宅地は530万円/㎡で、同じ2026年の荻窪(97.3万円/㎡)の約5倍です。
| 所在地 | 最寄り駅 | 価格(㎡あたり) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 六番町6番1外 | 四ツ谷駅 徒歩4.1分 | 530万円 | +9.7% |
| 三番町6番25 | 半蔵門駅 徒歩6.2分 | 441万円 | +11.4% |
| 三番町9番4(地価調査) | 半蔵門駅 徒歩4.6分 | 405万円 | +13.1% |
| 一番町16番3 | 半蔵門駅 徒歩2.8分 | 415万円 | +11.0% |
出典:国土交通省「地価公示」2026年、東京都「都道府県地価調査」。各地点の値は集計サイト(totinokati.com)を参照。公示地価は土地の価格で、マンションの販売価格そのものではありません。
どの町も前年比で+9〜13%上がっています。この規模の地価では、上昇も下落も購入金額への影響が大きくなります。借入額が大きくなりやすいため、金利が上がったときの返済額も事前に確認してください。
千代田区には、どのくらいの人が住んでいるのでしょうか?
結論:人口は約7万人で、1世帯あたりは約1.7人と、少人数の世帯が中心です。
出典:千代田区「住民基本台帳人口」2026年9月1日現在(外国人住民を含む)。1世帯あたりの人数は、人口を世帯数で割った筆者の算出値です。
少人数の世帯が多い区です。購入するマンションの広さが、家族向けに広いか、単身・2人向けに小さいかで、将来の買い手の層が変わります。
購入前に、何を確認すればよいでしょうか?
結論:立地、建物と管理、売るときの出口の3点を確認します。
不動産の現場から
私は不動産会社で、売買仲介や査定、物件調査に携わった経験があります。価格が高いエリアほど、購入時よりも、売るときに買える人が限られるかどうかが大きな課題になります。購入前に、将来の買い手を想像しておくことをおすすめします。また、お客様からは、購入後の管理費や修繕積立金が将来どう上がっていくのかを心配する声をよく聞きました。
| 確認する項目 | 見るポイント | 確認先 |
|---|---|---|
| 学区 | 学区の範囲は区の公式情報で確認 | 千代田区・学校 |
| 駅からの距離 | 徒歩分数と、実際の道のり | 現地・地図アプリ |
| 管理状態と修繕積立金 | 積立金が段階的に上がる計画か | 管理規約・長期修繕計画 |
| 築年数と耐震性 | 耐震基準と大規模修繕の履歴 | 重要事項説明書 |
| 返済の余裕 | 金利が上がっても返せるか | ローンの試算表 |
| 売却時の出口 | 買い手が付きやすい広さ・価格帯か | 不動産会社の成約事例 |
番町エリアの購入で、よくある疑問は?
学区の評判は、資産価値に影響しますか?
学区の人気が価格に影響すると言われることはありますが、この記事では公的データで確認できる範囲を扱っているため、影響の大きさは示していません。学区の範囲は変更される可能性があるため、区の公式情報で最新の内容を確認してください。
今から買うと、高値づかみになりませんか?
地価は2024年以降に大きく上がっており、「安い時期」ではありません。ただ、将来の価格は誰にも分かりません。購入する場合は、価格が下がっても返済と生活が続けられる範囲で決めることが大切です。
まとめ
番町エリアの住宅地は、2020年から約3〜4割上がり、2024年以降の上昇が目立ちます。「落ちにくい」と言い切れる根拠は、公的データからは確認できません。購入前は、立地、建物と管理、売るときの出口の3点を確認してください。なお、この記事は購入や投資の勧誘ではありません。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて行ってください。
エリアの比較には、次の記事も役立ちます。
出典一覧:国土交通省「地価公示」、東京都「都道府県地価調査」(2020〜2026年)/千代田区「住民基本台帳人口」2026年9月1日現在。数値は2026年10月時点で確認したものです。


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