あと何年働けば、FIRE(早期リタイア)できる?老後資金は足りる?
このシミュレーターは、年齢・年収・今の資産・毎月の積立額・年間の生活費・目標のリタイア年齢の6項目を入れるだけで、FIREできる年齢と65歳時点の資産を、楽観・中立・悲観の3つのシナリオで計算します。
使い方は図で説明しています。シミュレーターの下では、結果の見方、FIREに必要な資産の目安(4%ルール)、日本の年金を含めた現実的な考え方まで解説します。
このツールを作った理由:不動産会社のコンサルティングや都市開発の仕事で、多くの家計と住まいの計画を見てきました。そこで痛感したのは、老後の不安の大きさは「収入」より「住居費をどう組むか」で決まるということです。家賃やローンが家計に占める割合は大きく、ここが変わるだけで必要な老後資金は1,000万円単位で変わります。自分の数字で確かめられる道具が欲しくて、このシミュレーターを作りました。
使い方|4ステップで「FIREできる年齢」がわかる
【図解】シミュレーターの使い方
1
今の状況を入れる
年齢・年収・今の貯蓄と投資の合計額
2
積立と生活費を入れる
毎月の積立額(NISA・iDeCoの合計)と年間生活費
3
目標の年齢を入れて実行
何歳でリタイアしたいかを入れてボタンを押す
4
数字を1つずつ変えて比べる
積立を月1万円増やす、生活費を年30万円減らす…で結果がどう動くか
金額の単位は「万円」です。例:年収600万円なら「600」、毎月5万円の積立なら「5」と入力します。
FIRE / 老後資金シミュレーター
S&P500の過去リターンに基づく3シナリオで、あなたの未来を計算
年間生活費の25倍の資産を形成することで、投資リターンのみで生活費を賄える状態(4%ルール)
※このシミュレーターは過去の株式市場の平均的なリターンなどをもとにした概算です。将来の運用成果を保証するものではありません。税金・社会保険料・インフレの影響は簡略化しています。
結果の見方|3つのシナリオはどれを信じればいい?
結果には、運用がうまくいった場合(楽観)、平均的な場合(中立)、うまくいかなかった場合(悲観)の3つが出ます。計画は「悲観」でも生活が成り立つかで考えるのが基本です。
【図解】3つのシナリオのイメージ(資産の推移)
形はイメージです。実際の結果は入力した数字によって変わります。
悲観でも目標年齢に届いた
計画にかなり余裕があります。積立を少し減らして今の生活を楽しむ、という選択肢もあります。
中立なら届く、悲観だと届かない
一般的な結果です。リタイアを数年遅らせる、サイドFIRE(少し働く)にする、で差を埋めます。
楽観でも届かない
目標の見直しが必要です。まずは年間生活費、特に住居費から見直すのが近道です。
入力のコツ|数字の決め方で結果が大きく変わる
| 入力項目 | 決め方のコツ |
|---|---|
| 現在の貯蓄・投資額 | 生活防衛資金(生活費の6か月分)を除いた「運用に回せるお金」を入れると、現実的な結果になります。 |
| 毎月の積立額 | NISA・iDeCo・企業型DCの合計。ボーナス時の積立がある場合は、年間の合計を12で割った額を入れます。 |
| 年間生活費 | 最も結果を左右する項目です。家計簿の1年分に、住宅ローン完済後や子どもの独立後の変化を反映させます。迷ったら、少し多めに入れるのが安全です。 |
| 目標リタイア年齢 | 完全リタイアでなくても、「週3日だけ働く」などの時期を入れて、必要資産がどう変わるか比べてみてください。 |
住居費で、必要な老後資金は1,000万円単位で変わる
不動産の仕事で家計の相談に乗ってきた経験から言うと、FIREや老後資金の計画でいちばん見落とされやすいのが、リタイア後の住居費です。リタイア後も家賃を払い続けるのか、ローンを払い終えた持ち家に住むのかで、必要な資産は大きく変わります。
【図解】リタイア後の住居費と、必要な資産の差(4%ルールで計算)
住居費以外の生活費は同じとして、住居費の部分だけを比べた例です。
賃貸とローン完済後の持ち家では、住居費の部分だけで約1,800万〜2,250万円の差になります。どちらが得かではなく、自分の住まいの計画をシミュレーターの「年間生活費」に正しく反映させることが大切です。
必要資産=年間の住居費×25(4%ルール)で計算した例です。持ち家の金額は一般的な目安で、物件や地域によって大きく変わります。
- 賃貸の人:高齢になると借りにくくなる、家賃は一生続く、という2点を計算に入れる
- 持ち家の人:ローン完済後も、マンションなら管理費・修繕積立金、戸建てなら外壁や屋根の修繕費がかかる
- 住み替えを考えている人:リタイア時に家を売って小さな家に移る場合は、売却額を「現在の資産」に足して試算してみる
FIREの目安「4%ルール」|年間生活費の25倍
FIREでよく使われるのが「4%ルール」です。米国の株式・債券の過去データを使った研究(いわゆるトリニティ・スタディ)をもとに、資産の4%ずつを毎年取り崩せば、30年程度は資産が尽きにくかったという考え方です。逆算すると、必要な資産=年間生活費×25になります。
【図解】4%ルールのしくみ(資産7,500万円・生活費300万円の例)
資産
7,500万円
運用で増える
年+α
4%を取り崩す
年300万円
運用で増える分と取り崩す分がつり合えば、資産はなかなか減りません。ただし暴落した年に取り崩すと資産が大きく減るため、1〜2年分の生活費は現金で持っておくと安心です。
4%ルールの強み
目標額が簡単に決まる。「年300万円で暮らすなら7,500万円」と、ゴールがはっきりします。
日本で使うときの注意
元の研究は米国のデータで、期間は30年。40代でFIREして50年近く取り崩すなら、3〜3.5%で見積もるほうが安全です。為替・税金・インフレも考慮が必要です。
| 年間生活費 | 4%ルール(×25) | 3.5%で慎重に(×約28.6) | 3%でより慎重に(×約33.3) |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 5,000万円 | 約5,710万円 | 約6,670万円 |
| 300万円 | 7,500万円 | 約8,570万円 | 1億円 |
| 400万円 | 1億円 | 約1億1,430万円 | 約1億3,330万円 |
| 500万円 | 1億2,500万円 | 約1億4,290万円 | 約1億6,670万円 |
必要資産=年間生活費÷取り崩し率。公的年金を考えない場合の目安です。年金を含めると、必要額は下の考え方のように小さくなります。
日本版の考え方|公的年金があれば必要な資産はもっと少ない
日本の会社員には公的年金があります。65歳以降は年金で生活費の多くをまかなえるため、「リタイアから65歳まで」と「65歳以降の不足分」を分けて考えると、必要な資産の現実的な目安がわかります。
【図解】必要な資産は「2つの期間」に分けて考える(50歳リタイアの例)
=4,500万円
+国民年金・国民健康保険の保険料
=3,000万円
合計は7,500万円前後。運用しながら取り崩せば、必要額はこれより少なくなります。
国民年金(満額・月額)
70,608円
2026年度
厚生年金の標準的な夫婦(月額)
237,279円
2026年度
65歳以上・無職夫婦の月の赤字
約3.4万円
2024年家計調査
出典:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」、総務省「家計調査」(2024年、65歳以上の夫婦のみの無職世帯:実収入252,818円、消費支出256,521円、非消費支出30,356円)。
完全リタイアだけじゃない|FIREの4つの種類
【図解】FIREの種類と、必要な資産の大きさ
棒の長さは必要資産の大きさのイメージです。
40代の会社員にとって現実的なのは、サイドFIREやコーストFIREです。シミュレーターの「年間生活費」を、働いて得る収入を差し引いた金額にすると、サイドFIREの試算になります。
